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RUINS

鍵を見つけた。

きっと、「秘密」の鍵だ。

誰もこの鍵に合う穴を知らない。

自分達で見つけるんだ。

 

「おい、来てみろよ」

廃業したホテルがあった。

塗装がはげて、傾いた看板が見える。

この看板に色がついていたのは、もう何十年も前のことだ。

人がいないのを確かめて、入り口のドアに近づいた。

ガラス窓が割れている。

そこから中に入った。床にガラスの破片が散乱している。

鍵に合う穴はこのドアじゃない。

 

窓から斜めに陽が射している。

床を歩く度に埃が宙を舞った。

奥に、背の高い枯れた観葉植物がある。

まるで骸骨のようだ。

空気が自分達を拒絶している。

呼吸するのもためらう程だった。

右手にフロントがある。

椅子や棚が転がっている。

旧式のレジスターが目に入った。

胸が高鳴る。

期待とは裏腹に、1円も無かった。

引き出しを片っ端から開けてみたけど、お金は見つからない。

まぁ、いい。目的は、金じゃない。

視線をフロントの先にやろうとしたその時、

「ばか、隠れろ。誰か来たぞ」

腕を強く引っ張られた。

カウンターの下に身を隠す。

本当だ。

足音が聞こえる。

どこからやってくるのか。

右か・・・、左か・・・。

近づいてくる。

見つかるわけにはいかないんだ。

息を潜める。

敵だ。敵なんだ。鍵を狙ってる。

丸腰なのを後悔した。

木刀でも持ってきたら良かった。

足音のペースは一定だ。

カウンター越しに自分の横を通り過ぎていった感がある。

ホッと一息ついた。

入り口の、割れたガラス窓から出ていったようだ。

 

さらに内部へと、進む事にする。

壁に案内板がある。

宴会場がここから近い。

「おい。行くぞ」

歩き出そうとして、何かを蹴った。

シャッター棒だ。

手に取って、軽く振ってみた。

油断は禁物だ。

リーチが長いし、少し重いが

辺りを見回しても、これ以外に使えそうな物は無い。

「ばか。早くしろ」

ばか ばか うるさい奴だ。

  

シャッター棒を強く握りしめると、

宴会場に続く、暗い廊下へ歩を進めた。

 

床がきしんだ。

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「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

かのこマンが犯罪を犯したことを
生々しく語ってみたわけかね(((( ;゜Д゜)))

ジャンクロードバンダムは機械ではないことを言っておくよ。
ナイスガイだよ。
そういえば、トムベンジャミンをまだ調べてないよ。
・・・トムベンジャミンじゃなかったかね。

投稿: 奏杏 | 2007年3月14日 (水) 18時05分

>>奏杏
ファファファ(゚∀゚)
ぐぐってみたよ。
しぶいよガンダム。

・・・ベンジャミンじゃないよ。
ベレンジャーだよ。

投稿: かのこマン | 2007年3月20日 (火) 20時16分

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